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麦通信

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vol.39「法事」

2009.07.27

先日、50代という若さで亡くなった方の四十九日に出席した。
その男性を私は、ケンちゃんと呼んでいた。
遠い親戚にあたる方で、板金屋を営む伯父さんのところで若い頃から住み込みで修行をし、その後独立し板金屋を経営していた。
伯父の所へ遊びに行った時に従弟と共に良くケンちゃんには遊んでもらった。
法事には多くの親戚が集まり、昔話に花を咲かせ、ケンちゃんを偲んだ。
故人が繋がりのある人々を、再会できる機会を与えてくれたわけだが、その場に集まった人々と話す中で私が元気をもらえた気がする。
絵描きという仕事を始め、今まで必死にやってきたが、このままのペースでは自分自身がもたない気がしていた。
他人と比較してしまう気持ちや、現実的な生きていくための収入、描かきの世界での自分の立ちいち、理想、等など、考えても何の役にも立たないことと、考えるべき事。
少し整理し、本当に必要な事を選んでゆく。そんな転換期にこの法事はなったのかもしれない。
故人が与えてくれたのは、懐かしい人々が集まる場だけではなく、ゆっくりと自分の人生を歩く勇気だったかもしれない。
ケンちゃん  ありがとう。